京都の異空間ロックバンド・ヘルミッショナルズがお送りする劇空間コラム。

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師走君
12月。
「師が走る、すなわち先生のダッシュ」で師走。
先生が走れば、生徒も走る。
教頭も走る。
校長も走る。
国会議員も走る。
総理大臣も走る。
高尚な坊主も走る。
赤提灯の酔っ払いも千鳥足で走る。
清原も秋山もデストラーデも今では重い足を引きずって走りに走る。

師走。一年の締めくくり。

せめてこけないようにそろっと走ることにする。
| 2号 | 短編 | 21:55 | comments(0) | trackbacks(0) |
岡本という男
岡本実。鳥取県生まれの兵庫県育ち。
私の高校時代の同級生だ。彼は地味だが人に嫌われるタイプではなく、飄々とこの現代を生き抜いているごく普通の男だ。
しかし私は彼には会ったことがない。
なぜなら彼は初めからこの世に存在しない人物だからだ。

冒頭から全く意味不明の文章になってしまったが、これは大学に入学した当初、地元の友人と始めた
「架空の人物を作り上げる遊び」
なのだ。かれこれ6年前くらいのことである。
喫茶店で「岡本は〜らしい」「最近岡本は〜にはまっているらしい」と語尾に「らしい」をつける会話を延々していた。
やがて岡本は一人歩きをしだし、まるで存在しているかのような膨大な情報量となった。それぐらい会話をしていたということだが、
これはもったいないということで「岡本」という名の、彼を語るホームページまで立ち上げた。そこには
・岡本は「そもそも」が口癖らしい
・岡本の姉は昔テレビの再現シーン専門の子役をしていたらしい
・岡本は今(当時)大学生活を全く愉しんでいないらしい
・岡本は弁当屋のバイト中に唐揚げをつまみぐいしてクビになったらしい
・岡本の憧れは石原裕次郎ファミリーに入ることらしい
など適当なことを書き連ねていた。

しかし、その遊びも1年もすれば「さっきすれ違った人の性格を予想する遊び」に取って代わられ、忘れ去られていった。
そして先日地元で久しぶりにその友人と再会した。ラーメン屋に入り、ラーメンをすすっていると友人は「あっ」と言ってこう続けた。
「そういえば、岡本最近会社辞めて人形浄瑠璃の一門に弟子入りしたらしいで」
岡本はまだ生きていたのだ。
私はこんなバカな遊びをしていた過去の自分を懐かしく思った。あの頃のバカさ加減を取り戻したいのだ。架空の人物はやがて友人となった。この架空の人物に初心の大切さを諭される男は、少なくともこの1ヶ月で西日本で私だけだろう。
| 2号 | 短編 | 12:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
ジャイアントスイング
牛乳をペットボトルに入れて、力の限り振り続けるとバターができる。
牛乳の脂肪分が分離し、固形状になることから生まれる現象だ。

ものを回転させすぎると、全てが凝り固まってしまうのは、物質だけでなく人間も同じようだ。
頭を高速で限界まで回転させても、やがては考えが煮詰まり脳がバター状になってしまう。ゲル状の物質を液体に戻すにはどうすればよいのか。
とりあえず”漉”してみてはどうだろうか。
”ろ紙”が欲しいが今はない。

「リフレッシュ」。
そう簡単にできるものではない。

プロレスで馳浩にジャイアントスイングをされている間、人は何を考えているのだろう。その後、何を思うのだろう。
私はとにかく今はジャイアントスイング後の三半規管の揺れが収まるのを待つしかない。”ろ紙”があれば早く収まるのだが。
| 2号 | 短編 | 21:19 | comments(0) | trackbacks(0) |
最果ての地
遂に闇の果て、まさに最果ての地にたどり着いた。
深い闇の向こうには、もやがかかっており、そのもやが突如晴れた。
そこは明るく、私は元にいた場所に立っていた。
一周回っただけだったということだ。
人は同じグラウンドをぐるぐる回って一生を過ごす。
そして一周まわれば、スタート地点に立っているのは当たり前なのだ。
しかし一周回り終わるごとに、何かを学び取っている。と思いたい。
私はすっきりし、視界が開けるということはないが、少し楽な気持ちになっている。

これもまた言い過ぎですね。
| 2号 | 短編 | 10:04 | comments(0) | trackbacks(0) |
溺れる者がつかむ藁はそこにはない
人は冷静さを失うと後手後手にまわり、だめだとはわかっていても谷底へ堕ちていってしまうものだ。
頭は至って冷静なのだ。しかし身体は勝手に動き、私を大層醜く、愚かなものにしてしまう。
運を引き戻そうとすればするほど、もがけばもがくほど、沈んでいってしまう。
大人になった私はこの感覚を忘れていた。冷静になっていると思い込んでいた私は突然訪れたこの災いになすすべもなく、形はあるが中身はない、”色即是空”の存在と化している。
私は今、闇と光の境目の、少し闇寄りの世界に立っている。

て少し言いすぎですね。
| 2号 | 短編 | 22:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
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