京都の異空間ロックバンド・ヘルミッショナルズがお送りする劇空間コラム。

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名付け親
『子供の名前考えます』

と書いた幟をたてて、プップップーとラッバを吹いて
「子供の名前考えまーす。名づけ屋でーす。」
と叫んで、一日中街を練り歩いたが
結局誰にも声をかけられなかった。

何故こんなことを始めたかと言うと
ハギタという奴が私に対して
「お前名前つけるのうまいなー」
と言ったからである。

図に乗った私は、これを商売にしようと
思い立ったのだ。

しかし、まったく客がこない。

まあ当然である。そんなタイミングよく生まれたての子供
もしくはペットがいる訳がない。

でも原因はそれだけではない気がする。
明日はもっと大声でやってみよう、
そう思い、今日は寝ることにした。

パッパラッパッパー
「名づけ屋ー、名づけ屋っ。名づけ屋〜、名づけ屋っ。」
と前日よりも大きな声で街を徘徊したが
今日も声をかけられることはなかった。

あまりにも悔しいので
「所ジョージ〜、所ジョージっ」
と叫んで帰ると、窓を開けてこちらを見るものがチラホラいた。
やはり芸能人はすごいね。

それにしても、一体何がダメだったのだろうか?

きっと、
『まったく見知らぬ怪しげな男に
我が愛娘、愛息子の名を決められてたまるものか』
などと思っているに違いないのである。

まったく貧乏人の考えることはせせこましい。

「この際だから、名づけ屋にまかせようじゃないか。」
とか

「あーっ、候補が多すぎて私達じゃ決められないわ。あっ、ちょうどいい所に名づけ屋さんが来たわ。名づけ屋さーん。ちょっとお願ーい。」

てなことに何故ならぬのであろうか。

これでは商売替をしなければならぬ憂き目にあいそうだ。

アイディアが足らぬのだ。人目を引くアイディアが足りないに違いない。
所ジョージごとき禿げに負けている訳にはいかない。
何がドリームジャンボじゃ、ボケッ。

翌日、まるで耳なしほういちのごとく、体中に色んな名前を書いてもらって
「名づけ屋ー、名づけ屋っ。名づけ屋〜、名づけ屋っ。
所ジョージ、名づけ屋っ。」
と叫び、街中を歩いていると遂に私に声をかける者が現れた。

なんと、おまわりさんである。
あー、街のことはおまわりさんが一番よくわかっているんだなと感動すら覚えた。

「ちょっと来てくれるかな。」

「へいっ、男の子ですか、女の子ですか?それともワンちゃんかな?」

などと調子よく言っていると、
交番に連れて行かれ、

「近所から苦情が来てるんだ。おかしなことは今すぐやめなさい。
君、名前は?」
と、説教された。

それにしても名づけ屋に名前を尋ねるとはなんたるおまわりであろうか。

このままでは私は犯罪者のようなことになりかねないので
「所ジョージです。」
と答えると

「ふざけるじゃない。いい加減にしろ。」
と怒鳴られ、こってり絞られることとなった。

名づけ屋は廃業においこまれ、
明日は宝くじ売り場のバイトの面接である。

「ドリームジャンポいかがっすか」
と2回練習で叫んで寝た。
| 三号 | 日本 | 00:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
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