京都の異空間ロックバンド・ヘルミッショナルズがお送りする劇空間コラム。

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胸キュン!大西洋ガールズ


青い瞳のあの娘。
めずらしく日本語がわかるあの娘。
天狗が好きだって言ってたな。
母国ウェールズで発売されていた音楽雑誌に
黒装束に身を包んだ天狗が白髪を振り乱して
リッケンバッカーを掻き鳴らしている写真
が掲載されているのを見て興味を持ったとか。

彼女は幼少の頃からなんと王貞治の大ファンと言う親日家で
今回は母親と2人で観光来日したけど
母は仕事の関係で昨日、一人で帰国の途に就いたという。
残ったこの娘はあと一週間大阪に滞在するそうで。
(それにしてもさすが世界の王貞治。)


日、水と暇やから会おうと言った。

日曜日は普通にディナーに行っただけだった。
母国ウェールズなんかの他愛も無い話が妙に心地良かった。
水曜日は電気屋にデジカムを買いに付き合った。
色々迷った挙句、ウェールズカラーのグリーンを基調とした
センスゼロながら地球に優しいデザイン
のデジカムを購入している姿も何だか愛らしかった。

しかしその帰り、事件は起こった。

某ほにゃららストリートを歩いていると
季節外れ甚だしい”獅子舞”のパフォーマンスをする人がいた。
しかし季節は関係なく迫力満点の見事な舞っぷりだ。
こんなにも暑い中、これだけの動きが出来るなんてよっぽどの達人である。
この素晴らしい大道芸に当然、
隣のウェールズっ娘は大きく澄んだ青い瞳を
いつもより輝かせ興味津々の様子だ。
「アレハナニ?」と尋ねられたので
僕が「あれは顎関節症の顔デカ妖怪”赤(せき)のりお”の一人祭や。」
と答える間もなく彼女は買いたてのデジカムを回していた。

「オオイイヨ。イイヨ、イイヨ。ヨクトレテルヨ。」

獅子舞の動きに合わせて彼女も動きながら
ダイナミックかつ繊細にカメラアングルを調節していく。

すると
「OH!MY GOD!」

急に彼女が怒声を飛ばした。

「ノーン!デンチハイッテヘン!ノー!
 デンチハイッテヘンカタラウゴカヘンガナ。ッタク!
 チッ、ハヨッ!デンチアレヘンカラコウテコイ。
 オマエ、コウテコイ!ガッデム!」

道路を叩きつける勢いだ。
デジタル機器オンチの彼女に怒鳴られるがまま
僕は電池を買いにコンビニへと走った。とにかく走った。
「待ってろよ。」
走りながらなぜか彼女と出会った最初の日のことを思い出していた。
「緯度差130以上の人と話たの初めてやわ。」としゃべりかけると
笑って「ミートゥー」と言ってくれた。
こないだ一緒に夕食を食べた時、ワイングラスを持つ手が
いやにセクシーだったこともふいに思い出していた。
「待ってろよ。」
電池を購入し、すかさず同じ場所に立ち戻ると

 彼女はもういなかった。


…なぜ…

彼女も獅子舞も夏の日の幻だったのか…

…なんか風が身に沁みるな、急に秋っぽくなりやがって、こんちきしょう…

僕は片手に単一電池を握り締めその場を立ち去ろうとした時ふと気付いた。
あれ?幻じゃない。まだ獅子舞おる。あっ!
次の瞬間、獅子舞の中から人が出てきた。
もしやっ!と思い目を凝らすと
出てきたのは見た目二十歳そこそこの
トリニダードトバゴ人の女性だった。
「ワタシ、"アニータ"トイイマス、トリニダードトバゴカラ
 ヤテキマシタ。ヨロシクドーゾ。」

その日の夜、僕は"アニータ"をディナーに誘った。

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