京都の異空間ロックバンド・ヘルミッショナルズがお送りする劇空間コラム。

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落陽


機能を果たしていない物を捨てる時
人間は生い立ちを振り返る。


―スラム街で野垂れ死にしそうになったところを
 団爺さんに拾われた。
 団爺さんはドブネズミ同然の私を優しく抱きかかえ
 こう言った。

「可哀相に、こんなに汚れて…
 さあ、もう大丈夫だ、
 これからはワシの元で面倒を見てやろう。ヨシヨシ」

 嬉しいや有り難いという感情は無く
 ただただ流れに身を任せた。

 団爺さんとの暮らしはスラム街でのそれとは異なるが
 それでも厳しいものだった。

 一番きつかったのが毎朝の団爺さんの屋敷の掃除だ。
 形容するならそれはまさに地獄だった。
 ただの掃除と言っても団爺さんの屋敷は89LLDKKKK。
 これを朝10時までに終わらせなければいけないので
 いつも前の日の晩9時からやっていた。

 朝10時、掃除を終えると昼食の準備だ。
 団爺さんは中華好きなので
 いつもツバメの巣や熊の手を食卓に並べないといけない。
 一度、熊の手がどうしても手に入らず
 犬の手をうまいこと熊の手に似せて出したことがあったが
 嘘がばれて団爺さんの右手に装着してあるガトリング砲で
 胸を一発撃ち抜かれたことがある。
 それ以来、嘘はつかない。つけない。
 
 近所の山で熊を倒したりなんやかんやしてたら12時。
 団爺さんがリビングに来る時間だ。
 「グッドモーニング。」
 「おはようございます。」―


私は団爺さんの救いによりアラスカの秘境ですくすくと育つ事ができた。
今生きているのも団爺さんのおかげだ。
そこの地で年に幾度しか見る事のできない
不死鳥を象った幻のサンセットを今でも思い出す。
あれから19年…

今、私は人種のるつぼ東京で英会話教師をやっている。
今日はその教室を管理している事務所を掃除した。
以前から何気に置く場所に困っていた
団爺さんの写真と形見のG−SHOCKを思い切って捨ててみた。
意外とすっきりした。
| 1号 | 人生 | 00:12 | comments(0) | trackbacks(1) |
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memento mori
いわゆる「十字軍の遠征」が最初に始まったのは1097年のこと。以後2世紀間にもわたって、中東全域・ムスリム世界(「ムスリム」とはイスラム教徒のこと)を、「遠征」=侵略・和平・占領と入り乱れた争いの状態がこのイスラム教徒とフランク(ヨーロッパ人の総称)・キ
| MOMENT編集 | 2005/11/19 1:18 PM |
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