京都の異空間ロックバンド・ヘルミッショナルズがお送りする劇空間コラム。

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サーカスへ行こう
少年の頃、祖父が私に言ってきた。
「サーカスを見にいかへんか?」
祖父の時代はテレビなどなく、
大人はラジオから流れてくるエンタツアチャコの漫才を聞いて笑い、
子供は紙芝居のおっさんの来るのを心待ちにしていた時代である。
当時の人からしたサーカスは最高のエンターテイメントであり、
忘れられぬ過去の宝であるのだ。

しかし、現代少年の私にはそんなことには興味を示すことなく、
サーカス行きを断った。

その夜、祖父のサーカスを心待ちする心を考え、
枠組みだけは理解できるが、中心部は理解できない
もどかしさと、得たいの知れぬ悲しさに胸を圧迫され
理由もわからず枕を濡らした。
そして何者がこの悲しさを埋めることができるのであろうか?
と一人で考えた。


私の父や母は大変ドラマ好きである。
もしかしたら、それは代理の人生を歩むような気持ちで
見ているからかもしれない。
私はドラマが好きになれない。
それは今、目の前の現実を見据えているからかもしれない。
だから、自分の糧になりそうな物しか食さない人間になってしまっただろう。

少年の頃にドラマ好きの両親の心が理解できず
そして、今も理解をすることができない。
でも、少年の頃のように両親のドラマ好きを嫌悪することはもうない。


理解できぬことを罪のように考えていた時代を経て
理解できぬ者を蔑む時代を超え
理解されぬことで世を怨む時代を終えて
成人式を迎えたあの日。

祖父はブランコに乗って、こちらを見ていた。
| 三号 | 人生 | 22:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
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